◆賃金・手当について
【試し出勤の賃金/通勤中の事故などに関する補償について】
Q. 国の行政機関に勤める常勤職員です。メンタルヘルス疾患で療養し、ようやく職場復帰が可能なところまで回復しました。
いきなり職場復帰するのではなく、「試し出勤」を行ってから復帰したいと思っているのですが、職場からは、その間の賃金は支払わないと言われました。賃金が支払われないということは、「試し出勤」中の通勤途上の事故なども、公務災害にならないのでしょうか。
A.「試し出勤」は休職期間中、職場復帰に関する不安を緩和するため、本人の希望で実施できる制度です。注意したいのは、休職期間中という扱いになるため、病気休暇中または病気休職中に支給される給与等以外は支払われない、ということです。
なお、「試し出勤」中に発生した事故等については、公務による災害、または通勤による災害と認められる場合があります(*人事院「試し出勤」実施要綱より)。もし「試し出勤」中に事故などの通勤災害などが発生した場合は、職場の担当者に申し出てください。
【非常勤職員の退職手当について】
Q. 国の行政機関に勤める非常勤職員です。採用された4月から雇用保険が徴収されていましたが、10月から徴収されなくなりました。仮に退職した場合、雇用保険などの取り扱いはどうなるのでしょうか。
A. 国家公務員は退職手当法に基づいて、雇用保険の適用から除外されています。したがって、保険料負担も失業保険等の給付もありません。一方、非常勤職員が退職手当法の適用を受ける「職員」となるためには、一定の要件を満たす必要があります。
「一定の要件」とは、勤務時間が常勤職員と同等であることです。18日以上勤務した月が継続して6ヶ月を越えた場合、退職手当法が適用される「職員」となるため、雇用保険法の適用対象から除外され、保険料は徴収されなくなります。
ご質問の「退職した場合」ですが、「職員」の要件を満たしている人の場合、退職手当(いわゆる退職金)が支給されます。
また一ヶ月に18日(現行では1日の勤務時間=7時間45分)を超えて勤務した期間が12ヶ月以上あり、その後退職した場合、退職手当が支給されますが、その額が雇用保険法の規定によって算定された失業給付額を下回る場合があります。
このような場合は、その差額分を限度として公共職業安定所等を通じて支給されます。手続きには「国家公務員退職票」が必要となりますので、退職する職場で作成・交付してもらいましょう。詳しくは職場の担当者、または国公一般にご相談ください。
【非常勤職員の期末手当について】
Q. 国の行政機関に勤める非常勤職員です。勤めはじめて2年目で、この10月から来年12月あたりまで産前・産後休暇/育児休業を取る予定です。今年の12月の期末手当ては支給されるのでしょうか。
A. 2008年8月に人事院から各省庁に出された通知「一般職の職員の給与に関する法律第22条第2項の非常勤職員に対する給与について」では、非常勤職員の期末手当について「相当長期にわたって勤務する非常勤職員に対しては、期末手当に相当する給与を、勤務期間等を考慮の上支給するよう努めること」と規定されており、産前・産後休暇中も期末手当が支給されます。
また、2022年1月から非常勤職員の産前・産後休暇は常勤職員と同様に有給の休暇となりました。無給の休暇について改善を求める声が高まり、有給の休暇が実現しました。一方、生理休暇や妊産疾病病休暇は無給のままです。国公一般に加入して、非常勤職員の労働条件の改善を求めましょう。
◆解雇・雇止め
【まさかの雇い止め。何かできることは?】
Q. 公益法人の契約社員です。会計年度任期の契約を繰り返し、4年以上勤めてきましたが、2月末に突然、「予算が厳しいため、来年度の雇用契約は結ばない」と通告されました。泣き寝入りするしかないのでしょうか。
A. 契約期間の満了で契約を更新しない、いわゆる「雇い止め」は、期間の途中、あるいは期間の定められていない労働契約を打ち切る「解雇」とは区別されます。しかし、3回以上の契約更新があった場合などは、「解雇権濫用〈らんよう〉法理」(労働契約法第16条)が適用される、との判例が確立されています。
お問い合わせのケースは、労働契約法が該当する公益法人に4年以上の勤務実績がありますので、この「解雇権濫用」に当てはまります。
ちなみに「解雇権濫用法理」とは、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない解雇を許さない」というものです。
①人員整理の必要性(人員削減を行う必要性)
②解雇回避努力義務の履行(できる限り解雇をしないようにするための措置を尽くすこと)
③被解雇者選定の合理性(解雇対象者の選定基準が客観的に見て合理的であること)
④納得を得るための誠実な話し合い(労働組合との協議や労働者への十分な説明が尽くされ、話し合いがもたれ、納得が得られていること)
解雇権を行使するためには、以上の「整理解雇4要件」のすべてを満たす必要があり、「予算が厳しい」というだけでは、解雇することはできません。国公一般に加入して「雇い止め」を阻止し、雇用を継続させるためにがんばりましょう。
【長期療養で解雇? 有効な対策は?】
Q. 国の行政機関に勤める常勤職員です。メンタルヘルス疾患で療養し、その後職場復帰しましたが、上司から「普通なら自分からやめる」「みんなに迷惑をかけていると思わないのか」「3年たてばいつでもやめさせられる」などと言われています。どうしたらよいでしょうか。
A. 人事院が2005年7月に発表した「心の健康のための早期対応と円滑な職場復帰」では、心の不健康な状態は、職場環境・生活環境が大きな原因である、として、健康管理者・監督者(上司)の役割および早期対応の重要性がきわめて大きい、としています。
また、職場復帰において健康管理者・監督者(上司)は、主治医等と相談し、勤務時間の短縮や、人事異動も含めて配慮する必要があるとしています。ですから、相談にあるような健康管理者・監督者の対応は不適切なものと言わざるをえません。
休職の期間は3年を超えない範囲で任命権者が定めるとしていますが、病気休職の場合は回復の見込みがあれば、職員本人および主治医、健康管理医等と相談した上で、職場復帰をはかるための対応を行う義務があります。国公一般に加入して使用者の誠実な対応を求めましょう。
【突然の雇い止め通告。こんなことってある?】
Q. 国の行政機関に勤める非常勤職員です。任期は1年ですが、求人票には「契約更新の可能性あり」と記されていました。採用時の面接でも「更新されない場合もあるが、まじめにやっていれば大丈夫」とのことでした。
1月末に「来年度は更新しない」と通告され、理由は「仕事ができないから」と言われました。指示された仕事は一生懸命に行い、特に注意されることもありませんでした。「仕事の何がいけなかったのか」と尋ねても回答がありません。こんなことが許されるのでしょうか。
A. 教育・指導をすることが義務づけられていますが、それだけで「雇い止め」そのものを撤回させることは困難かもしれません。しかし継続雇用を期待させながら、「継続しない具体的な理由」を明らかにしない使用者の姿勢は許されるものではありません。国公一般に加入して、継続雇用を求めましょう。
◆休暇
【非常勤職員の病気休暇・忌引き休暇の扱い】
Q. 国の行政機関に勤める非常勤職員です。病気休暇や忌引き休暇について教えてください。私は1日の勤務時間が5時間で、週に3日勤務しています。病気や忌引きでの休暇は取れるのでしょうか。
A. いずれも休暇の取得が可能です。これまでの病気・忌引き休暇の対象者は、「常勤職員と同様の勤務日および勤務時間で勤務する日々雇い入れられる職員のみ」でした。
これが2009年10月1日からは「6ヶ月以上の任期もしくは任用予定期間が定められている職員または6ヶ月以上勤務している職員」に拡大されました。したがって、週5日未満の勤務の方も休暇取得の対象となります。
病気休暇(私傷病休暇〈*注〉扱いとなり、2025年4月から有給休暇となりました)の日数は、ひとつの年度(4月1日から翌年の3月31日までの間)に、1週間の勤務日の日数等に応じて定められています(下表①をご参照ください)。
(*注)私傷病休暇とは? 業務外の病気/ケガで就業できない場合に利用できる休暇のことです
表① 病気休暇の日数 1週間の勤務日数
1週間の 5日 4日 3日 2日 1日
勤務日
1年間の 217日以上 169日から 121日から 73日から 48日から
勤務日 166日まで 168日まで 120日まで 72日まで
休暇日数 10日 7日 5日 3日 1日
また忌引き休暇(有給)の付与日数は、現行どおりです(下表②をご参照ください)。
表② 忌引き休暇の日数
親族 日数
配偶者 7日
父母 〃
兄弟姉妹 3日
子 5日
孫 5日
叔父
または 1日
叔母
祖父母 3日
【病気休暇の日数制限について】
Q. 国の行政機関に勤める常勤職員です。医師からメンタルヘルス疾患で療養が必要との診断を受けました。病気休暇はいつまで取れるのでしょうか。
A. 病気休暇は「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第18条」により規定されていますが、とくに期間制限は設けられていません。
ただし、給与法第15条の規定により、給与の減額対象となることが定められています。また、給与法附則7項において、療養のために病気休暇を開始した日から90日を超えて勤務しないこととなった場合、俸給(*給与)の半額を減ずることが定められています。
なお、公務上の負傷・疾病は上述7項の適用から除外されますが、個別のケースにもよりますので、まずは国公一般にご相談ください。
今は治療に専念して、しっかり身体を休めましょう。
【病気休暇の取得理由について】
Q. 国の行政機関に勤める職員です。病気休暇の取得に関して、上司から具体的な病名や病院名を休暇簿に書くように言われています。休暇簿は誰もが見られる場所に保管されており、プライバシー保護の上で行き過ぎていると思いますが、どうしても書かなければならないのでしょうか。
A. 病気休暇は「負傷又は疾病があり、その療養のために勤務しないことがやむを得ない場合」に取得できます。「疾病」には、予防接種による著しい発熱なども含まれ、「療養する」場合には、負傷又は疾病が治った後に社会復帰のためリハビリテーションを受ける場合等が含まれます。
休暇簿に病名や病院名まで書く必要はありません。「発熱のため」、「腹痛のため」「風邪のため」など症状を記載することで問題ありません。また、具体的な病名などを詳細に書く必要もありません。
使用者が何らかの手続きのために病名や病院名などが必要であれば、別途証明書などの提出を求めるべきです。
職場の人事・厚生の担当課に相談し、それでも改善されない場合は、人事院の苦情相談制度を利用されてはいかがでしょうか。
◆保険
【非常勤職員の雇用保険について】
Q. 行政機関に勤める非常勤職員です。これまで民間の職場で10年以上雇用保険に加入してきましたが、今の職場に採用され、半年で雇用保険から除外されました。これまでの加入期間がリセットされるのでしょうか。納得いきません。雇用保険を継続する手立てはないのでしょうか。
A. 国家公務員は、国家公務員退職手当法(以下「退職手当法」)によって雇用保険法の適用から除外されています。一方、非常勤職員への退職手当法の適用は、18日(1日8時間)以上勤務した月が連続で6ヶ月を超えた時点となります。
したがって、それまでの間は雇用保険に加入し、お問い合わせのように6ヶ月経過後は雇用保険法ではなく、退職手当法の適用を受けることになります。よって、今の勤務条件が続く限り、残念ながら雇用保険に加入することはできません。
なお、雇用保険の加入期間は、最終の資格喪失日(6ヵ月で雇用保険から抜けた日付)から次の資格取得日(再び加入した日付)までの期間が1年以内であれば通算されます。
◆安全衛生
【非常勤職員の健康診断について】
Q. 国の行政機関に勤める非常勤職員です。私は1日の勤務時間が5時間ですが、定期健康診断は受診できるのでしょうか。
A. 非常勤職員が一般定期健康診断の対象となるのは、「1週間あたりの勤務時間が常勤職員の2分の1以上」で、「6ヶ月以上継続勤務している」場合となります。6ヶ月以上継続勤務していなくても、6ヶ月以上継続勤務することが明らかな非常勤職員についても、受診できるように努めること、とされています。
検査の項目や回数などは常勤職員と同様で、検査項目には①身長・体重・視力・聴力、②胸部エックス線検査、③血圧測定・尿検査、④心電図・血清総コレステロール・中性脂肪・貧血検査、⑤胃の検査などがあります。
以前は非常勤職員の一般定期健康診断は人事院規則に義務規定がなく、各省庁の自主性に任されていましたが、国公一般などの要求と運動によって一歩前進しました。また2025年4月から、非常勤職員が人間ドックを受診する場合に「職務専念義務の免除(*注)」が可能となりました。対象となるのは、1週間あたりの勤務時間が常勤職員の2分の1以上で、6ヶ月以上の継続勤務をしている非常勤職員です。
勤務期間が6ヶ月を満たしていない非常勤職員も漏れなく受診できるよう、一緒にとりくんでいきましょう。
(*注)職務専念義務とは? 国家公務員法第101条で国家公務員は、「法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」とされています。非常勤職員が人間ドックを受診する際には、この「職務専念義務」が免除されるということです。
◆その他就業条件など
【非常勤職員の兼業について】
Q. 国の行政機関に勤める非常勤職員です。生活が苦しく、アルバイトの兼業を検討しています。非常勤職員であれば兼業は問題ないと聞きましたが、本当でしょうか。また、どんなことに注意すればよいのでしょうか。
A. 非常勤職員のアルバイト兼業は可能です。「国家公務員法」の第104条では、正規の国家公務員の兼業は「内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する」と制限されていますが、非常勤職員は「職員の兼業の許可に関する政令」(昭和41年)の第3条で、条文の適用から除外されています。
注意すべき点は、非常勤職員にも守秘義務が課せられており、職務で知り得た情報を漏らすことは禁じられているということです。